AIにまかせる仕事、税理士にしかできない仕事
こんにちは。税理士の吉田です。
今回は、AIにまかせることと、AIにはできない税理士の仕事について書いていきたいと思います。
仕訳・記帳はかなりAIにまかせられる
仕訳・記帳の8割くらいは単純な入力作業です。
この部分は、今ではクラウド会計を利用したAIでかなり対応できるようになっています。
領収書を撮影・スキャンして仕訳を計上したり、ネットバンクやクレジットカードの明細を自動で取り込んだりできます。
また、AIは優秀で、例えば消費税率8%と10%の振り分けなどもしてくれます。
勘定科目の振り分け精度も高く、一度覚えた取引については同じ勘定科目で処理してくれます。
ただ、その事業に合った勘定科目を考えて提案するところまでは、できないことがあります。
取引は千差万別ですし、車を購入したときなど、普段あまり出てこない仕訳や特殊な仕訳については、AIだけでは対応できないこともあります。
なので、単純な入力作業はAIにまかせて、それ以外を税理士が見るという形がベストなのかなと思います。
税法の一般論はAIでも回答できる
税法についても、プロンプトをしっかり作れば、一般論についてはかなり回答してくれます。
私も初見で使いますが、国税庁や税法など確度の高いものだけで集約しています。
ただ、実際の税務は会社や事業の内容によって違います。
特にグレーな案件については、そもそも法律に明確に書いていないことも多くあります。
こういうときは、法人税なら法人税だけを見るのではなく、消費税など他の税目も含めた知識や、これまでの経験が必要になります。
税務調査も同じで、調査官と話をして交渉する場面があります。こっちを認めるからこっちは指導にして欲しい、など、法律には書いていないのでAIには難しいのかなと思います。
ここは今のところ、税理士が勝る部分だと思います。
AIは聞かれたことには答えてくれる
AIを使うときに難しいのが、質問する側がかなり正確に状況を伝えなければならないことです。
税務はちょっと特殊で、同じ日付・金額・相手先の領収書があっても、その取引の背景や、なぜその取引をしたのかなどで結果が変わってくるからです。
必要な情報をきちんと入れなければ、AIには判断できません。
税理士であれば、話を聞きながら「もう少しここを教えてください」と追加で確認しますが、AIは質問されたことにしか回答しないことも多いです。
Youtubeも似ていますが、前提が同じ会社ならよいのですが、まず同じ会社なんて存在しません。そこに罠が隠れているのだと思います。
例えば法人税の取扱いについて質問すれば、その回答はしてくれます。
ただ、その取引について消費税ではどうなるのか、消費税の課税方法を変更した方がいいのか、といった別の論点まで含めて考えるのは難しいところがあると思っています。
経営者によって答えは変わる
節税を重視する経営者もいれば、多少税金が増えても経営の合理性を重視する経営者もいます。
AIは、その経営者が何を重視しているのかまでは分かりません。
例えば15万円のパソコンを買ったときに、一発経費で落とすのか、4年で減価償却するのか、3年均等償却をするのか、という3通りのやり方がありますが、経営者の考えがわからなければ難しいですね。
税理士は普段のやり取りを通じて、その経営者の考えを分かったうえでアドバイスできます。
この社長は税金安い方がいいとか、試算表が見やすい方がいいとか、一発経費じゃなくて減価償却がいいとか、色々あります。
また、ある方法が税務上できないとして、AIでは「できません」という回答で終わることがありますが、税理士であれば、できないのであれば別の方法はないか、というところまで考えることができます。
単純な仕訳や一般的な税務の確認は、今後さらにAIにまかせられるようになると思います。
その分、税理士は会社ごとの事情を聞き、複数の税目や経営者の考えまで含めて判断することに、より価値が出てくると私は考えています。
編集後記
これから変わってくるかも知れませんが、AIの精度ももう一段階レベルアップしてくれるとさらに楽になります。
まだ、こんな間違いするんだとか、数字が正確に読めないとか、手書きがちょっと弱いとかは、あります。
会計は100%の出来を求められるので、99%の精度なら、どこか間違いあるのでは?と不安になります。
楽になったとはいえ、いまのところある程度目視でチェックするしかないんですよね・・泣
いつか100%になるように期待しています。
コメント
この記事の投稿者
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吉田匡
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。


