元々業績が悪くアフターコロナで借金急増。5年後倒産しないために今考えておくべきこととは。

こんにちは。札幌の税理士、ヨッシーです。

コロナ関連での2大事業支援、特別融資(借入金)、持続化給付金申請はここ最近で落ち着いた感があります。

持続化給付金は返済不要のお金なので(でも、課税対象になるので納税資金取っておいてね)いいのですが、今後の課題とするべきなのは、

借金です!!(借りたお金は返すのです。当然か・・)

コロナ融資を数多く支援してきて感じるのは、

多少(いや、かなり)財務状況が悪くても、かなりの金額が借りれている

という状況です。

コロナで業績悪化しているので、今現在から未来にかけての財務状況が悪くて借りれるのは当然です。

特に問題なのは

過去の財務状況が悪くて借り入れが増え、アフターコロナでの復調の兆しが見えない!

という状況にある方です。

現状のおさらい

元々業績が思わしくなく慢性的な出血が続いていたところにコロナ。

とりあえずの緊急避難的に融資の申し込み。審査は通りやすく、多額の借入金の入金。

据え置き期間、返済期間は長めに。(公庫運転資金の場合は、据え置き期間は最長5年、据え置き期間含めた総返済期間は15年)

ですので、据え置き期間をMAX5年で取ったとすると、返済期間は10年です。

返済が始まるのはまだまだ先です。次のオリンピックくらいから返済が始まる方も多いでしょう。

つまり、今財務状態は真っ赤だけどお金だけはある

という状態なんです。

これは人によって、特にB/S貸借対照表がよくわからんという人は、極めて危険です。

「今がチャンスだから多めに借りて、使わなければ返せばいいじゃん」

確かに借りやすい状況ですし、今後何かあるかわかりません。

ただし、お金は怖いです。今あるお金は「借金」なのですから。

使うお金が「運転資金」なのか「資産の購入」なのか、「経費」なのか、分類をしておくこと

お金がある状態なので、脇が甘くなります。

借金の使い道をきちんと把握しておくことが重要です。

運転資金として使う

売掛入金のタイミングや仕入資金の支払いに充当できるものですから、これは良い(というか、しょうがない)と思います。

元々コロナで売上不振→固定費賄えず赤字

という状態なので、資金は枯渇しています。当然運転資金が減っているのです。

運転資金で使うかどうかは損益に全く影響しないので、これ自体は問題ありません。

問題はコロナ以前の赤字の蓄積と、コロナ以後の赤字の解消です。これに焦点を置くべきでしょう。

資産の購入

これは、どうしても車が古くなり買換えが必要などの場合はOK(これもしょうがない)。

新たな資産の導入、例えば、デリバリー化に対応するための設備投資など、未来の売り上げを獲得するための設備投資。

これはリスクを伴う投資なので、将来の利益増加額から返済する必要があります。

この例で行くと、デリバリー化した売上から仕入れなどの変動費、他の固定費を差し引いた金額が投資額回収の原資になります。

今までの売上に似た新事業なので、リスクも多少下がると思いますが、当たるかどうかはわからない。

来店型飲食店が急にデリバリー対応したからといって、以前からデリバリー専門で行っているところにはかなり差があることもあります。

美味しいと言われる飲食店がデリバリーを始めたはいいが、あまりおいしくなかった・・・、ということもあるようです。

デリバリー化を例に取りましたが、あくまで、

「新事業」

ということを念頭に置いて欲しいと思います。

ご自身が創業した当初のことを思い出してみてください。お客さんが来るかどうかわからない、商品がヒットするかどうかわからない・・・、という状態で創業したかと思います。

トライ&エラーで新事業を収益化していくしかありません。

リスクはあると思いますが、やらなくてはいけないことなので、△としました。

経費として使う

運転資金、資産の購入費(主に新事業)以外で使うものです。

ここで注意していくのは、経費が粗利(売上-仕入)で賄えているかどうかです。

賄えている場合は問題なし、賄えていない場合は問題ありです。

経費として使うこと自体普通のことなのですが、粗利で賄えていない部分は赤字です。

赤字が累積していくことは、お金の減少を意味します。

これもしょうがないと言えばしょうがないのですが、輸血した端から血が抜けていくようなものです。

出血部位を見極め止めなければ、いくら輸血しても足りません。

そのうち金融機関から「もう輸血はできません」と言われてしまうかも知れません。

まずは出血を止めること、次に自身で血を作ることです。

赤字続きの上、コロナの影響があるのであれば、もうかなりの輸血をしていると思います。

輸血と違い借金は返さないといけないので、かなり危うい状態です。

今すべきこと

また感染者が増えているなぁ・・・。

いつコロナ終わるんだろう・・・。

と言っている場合ではありません。

コロナに対する文句はありますが、心の中にそっとしまって、「次」に目を向けるべきです。

嘆いていても何も始まりません。

従業員、取引先、家族を守るため、経営者は頑張らなければならんのです。

まずは動いてみること。

ギャンブルは否定しますが、何が当たるのかわからないのも事実です。

誰もこのコロナ禍に見舞われたことはないのですから。

新事業を考えるときに、これまで提供してきた商品・サービスをコロナ対応型にすることを考えると思います。

その時には、きちんと損益の予定、結果の把握が重要です。

損益の予定が組めれば、損益分岐点売上高もわかります。

損益分岐点がわかれば、金額の目標値ができるのです。

金額目標値ができたら、具体的行動(業務オペレーション、人の割り当て、集客方法)まで絞り込みます。

具体的な行動ができたら、もう一度損益の予定を組みなおします。

それを繰り返していざ実行。

実行後数字を把握して、予定とズレがあれば、予定を補正し、損益分岐点を補正し・・・と続きます。

数字は正直なので、何がどう悪いのか数字で出てきます。

数字から改善点を組むのは人間の役割です。

 

業績が悪いので、数字を見たくなくなる気持ち・・・理解できます!

ですが、見なくてはいけないのです。経営者なのですから。

今だからこそ、数字が重要なのだと思います。

最後に、もう一度言います。

重要なのは、過去の数字を見ること、未来の数字を予定すること。

一番重要なのは、行動計画を作り(頭の中でも良い)、実行し、モノにすることです。

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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