税理士の仕事に向いている人、向いていない人

 

 経営相談・税理士業務

こんにちは。税理士の吉田です。

「税理士の仕事に向いている人、向いていない人」について、自分が向いている人間だと仮定して(笑)書いていこうと思います。

資格を目指していないが税理士業界に入りたいという方も参考になれば幸いです。

税理士の仕事は大きく分けて3つです。

①税法を理解し

②会計帳簿や税務申告書を作成し

③お客さんに説明・指導・助言すること。

この3つの能力があれば「向いている人」と思います。

税法を理解する

税法は所得税法、法人税法、消費税法、相続税法、それ以外にもたくさんあります。

税理士試験は条文や施行令、施行規則など丸暗記になりますが、試験を目指さない方は所内にある書籍等で勉強することになります。

税法には、例えば、「飲食代は交際費」「工具を購入したら消耗品費」などとは書いていません。

交際費なら、国税庁のHPに以下の記載があります。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

出典:国税庁HP No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算より

なので、「飲食代=交際費」ではなく、「得意先との取引関係の強化を目的とした飲食を伴う接待=交際費」となります。

つまり、税法は具体的に決まっているのではなく(決まっているのもありますが)、税法の規定・趣旨から判断していくものです。

機械的に判断すると間違ってしまいますので、その取引の背景、事業の特性などから判断するところに、「誰がやっても同じ」とはならない理由の一つです。

この解釈は正しく税法を読み取る文系能力が必要です。

会計帳簿や税務申告書を作成

税法や会計基準を踏まえて会計帳簿や税務申告書を作成します。

個人の事業所得・法人の決算を考えると「簿記」の能力がマストです。

数字が出てくるので理系の能力が必要かと思われがちですが、高度な理系能力は全く必要ありません。

中卒程度の数学能力があれば十分です。

また、細かい処理をたくさんするので、几帳面な性格の方が良いと思われがちですが、これも関係ないと思います。

他の職業でも大雑把な性格だけど、仕事は丁寧な人は多いと思います。仕事なんで、みんな几帳面にやるしかないでしょう(笑)

実際私自身も几帳面な性格ではないです(笑)

ただ、ずっと座って黙々と作業することが多いので、じっとしてられる人が望ましいです。(これも慣れですが)

どちらかというと、経営やお金に関することに興味があるかどうかの方が重要な気がします。

お客さんに説明・指導・助言すること。

これはコミュニケーション能力の一言に尽きます。

私が思うコミュニケーションとはお客さんと仲良くなる能力ではありません。(もちろん仲良くなった方が良いですが)

説明能力

お客さんは基本素人です。税務会計がわからないから依頼されています。

ただ説明するのではなく、お客さんに「わかるように」説明するのが重要です。

税務会計は専門用語のオンパレードなので、極力専門用語は使わないようにします。

例えば、経営が初めての方は「減価償却」といってもわからない方がほとんどです。

「法定福利費」が社会保険や労働保険なんて知る由もありません。それが普通です。

相手の理解度に応じて、かみ砕いて説明することが重要です。

指導能力

偉そうかも知れませんが、重要な仕事として「指導」させて頂くことも多いです。

出しても良い領収書の振り分け、書類の保存方法、会計処理の間違いetc・・。

お客さんが「これで良い」と思っているやり方を変えるので、きちんと理解・納得が得られるようにします。

そして、行動に移してもらうのがゴールです。

メリット・デメリットを伝えるのも良いかも知れません。

助言・提案

これが一番価値を感じる仕事です。

節税対策、資金繰り対策、税金以外の経営相談などなど。

どうやったら税金を抑えられるか、どうやったらお金を残せるか、どうやったらお金を借りやすい財務諸表にしていくか。

お客さんの今後の展望、性格などでも変わってきます。

また、お客さんの考えとは違うことも言わなければいけないときもあります。

ここで一番コミュニケーション能力が必要なんだと思います。

結局助言・提案を聞いてもらえるかどうかは「信頼関係」にかかってきます。

普段の仕事ぶり、密な連絡、助言の内容からお客さんが本当に信頼しても良いかどうか判断されていると思います。

まとめ

色々と書きましたが、マメに仕事をできるかどうか。

その1点はどの職種でも変わりません。税理士だけが特別なわけでもありません。

税理士になっても全てがわかっている訳でもなく、日々これ勉強です。

真面目に、コツコツ、そんな人が向いているのではないでしょうか。

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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