税理士を目指している若い人のために書きました。~税理士になるにはと仕事の内容~

 

 経営相談・税理士業務

こんにちは。札幌の税理士よっしーです。

よっしーってどんな人?って思ったらプロフィールをご覧ください。

札幌の税理士吉田匡の自己紹介

一昨日、昨日と福岡に出張でした。

打ち合わせ後に㈱natyureの野村さんとお食事。野村さんのお嬢さんが税理士に興味があって、学校の宿題に税理士インタビューを提出するということで、インタビューに答えてきました!

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左が野村社長、右がお嬢さん。野村さんはダッフィーコスチュームなどのネット販売をされています。とても可愛らしいものを販売しています。

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私の話なんかで参考になったんだべか?(笑)

今日は税理士のなり方や仕事について野村さんのお嬢さんのために書きます!

税理士になるには

税理士になるには2パターンあります。

1つは税理士試験に合格すること、もう一つは23年以上税務署で働くと税理士になれます。

ここでは税理士試験について書きますね。

〇 税理士試験の受験資格

税理士試験を受けるためには、

・大学、短大、専門学校に3年以上の学生で一定の人(条件いろいろあります)

・日商簿記1級合格者

・全経簿記上級合格者

などなど、どれか一つ条件を満たせば税理士試験を受験できます。その他たくさんありますので、下記ご確認ください。

受験資格について(国税庁HP)

私は専門学校1年時に日商簿記1級をまず取得し、専門学校2年時に初めて税理士試験を受けました。

簿記の勉強は税理士試験でも使うので、やっといて損はありません。

〇 税理士試験の科目

税理士になるには会計科目2科目、税法科目3科目、併せて5科目の合格が必要です。

会計科目は、簿記論と財務諸表論があり、これを2つとも合格しなくてはいけません。

税法科目は9科目あります。所得税法、法人税法、相続税法、国税徴収法、固定資産税、消費税法または酒税法(どちらか1つ)、住民税又は事業税(どちらか1つ)の内、3科目の合格が必要です。

税法科目の所得税法か法人税法はどちらか必ず取得しなくてはいけません。どちらも取得してもOKです。この所得税法や法人税法が税理士試験の最難関となっています。

税法科目の王道としては、「法人税、消費税、相続税」ですね。実務でもけっこう使いますしね。

科目ごとの合格率は10%前後です。会計科目はやや高い(10%後半のときもあります)傾向があります。

試験は年1回で何科目でも受験して構いません。なので、1回の受験で5科目合格というのもあり得る話ではありますが、十何年に一人とかそのくらいです。

なので、1~2科目ずつ地道にやっていくのが王道です。1度合格した科目の権利は一生消えません。

ちなみに私は最初の受験から10年かかりました(^^;

ちなみに一定の大学院修了で税法科目の一部が免除される制度もあります。

〇 税理士試験の内容

会計科目の簿記論は、計算問題しかありません。財務諸表論と税法科目は計算半分、理論半分です。(国税徴収法だけは計算問題がなく理論問題だけのようです)

特に税法科目の理論問題は、税法を丸暗記しなくてはいけないので、かなり大変です。私も狂ったように理論暗記しました。

合格に必要な点数は70点らしいですが、正直あまり関係ありません。70点を合格とすると、問題が難しい時は合格人数が少なく、易しいときは合格人数が多くなるはずですが、合格率は毎年一定(10%前後)です。

なので、税理士試験は70点取る試験ではなく、上位10数パーセントの中に入らなくてはいけない試験なのだと思います。

勉強は専門学校(私は大原簿記)のテキストで勉強しないと合格は難しいです。本屋で参考書を買って・・・で受かる試験ではないと思います。

専門学校のテキストは、通信教材でも1科目10万円はします。私は100万円以上はかけたと思います(笑)

あと、これは完全に私の私見ですが、受かると思った時には落ちて、落ちたと思った時には受かる試験です。

上位10数パーセントが受かる試験なので、自分ができたかどうかより、人よりできたかどうかで決まりますから。

試験が終わって自己採点しても受かっているか落ちているかすらわからないときがあります。もし生まれ変わったら税理士試験は受験したくありません!(笑)

なので、自分が凄い奴だという気はサラサラないですが、頭の良さよりも根性が必要です。

自分の大原の同学年の人40人はいたと思うのですが、今税理士になれているのは自分含めて2人だけだと思います。(毎年合格者が公表されるので、知っている人がいたらわかるんです)

私が受かった理由は、頭が良かったからではなく、合格するまで諦めなかったからだと思います。

天才なら問題ないと思いますが、私のような凡人であれば人生賭けて受験する覚悟が必要と思います。

〇 税理士登録

税理士になるには税理士試験合格だけではダメで、税理士会に登録しなくてはいけません。税理士会に登録されるには、2年以上の実務経験が必要になります。

現実的には税理士事務所に働きながら受験する人も多いので、要件は満たしている人が多いようです。

でも、正直働きながらはきついです。でも、やるっきゃないね。

本気になったら大原!!って今の若い人わかるかな?(笑)

税理士の仕事

税理士の仕事はたくさんあります。自分でもわからないくらい。

〇 税金に関すること

実務でよく行う仕事としては、個人の確定申告(所得税)、法人の確定申告(法人税)、消費税の申告です。また、うちの事務所は多いですが、相続税の申告は一般的にはそれほど件数がありません。

納税者に代わって、必要な資料などを確認し、税金の計算、申告書を作成し税務署へ提出します。

その他には、税金に関するアドバイス、税務調査(税務署が申告内容を確認しにくること)の立ち会い、税務署との交渉などをします。

正直、税理士法で定められているの仕事はこれ以上でもなくこれ以下でもありません。

税に関することは税理士の独占業務(税理士の免許がなくてはできないこと)になっていますので、資格のない人(ニセ税理士)などが税に関することをした場合、税理士法違反で処罰の対象になります。

処罰は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑があるようです。

〇 経営に関するアドバイス

税金以外でもお客様から会社経営に関する様々な相談を受けます。

・銀行から融資(お金を借りる)際の相談

・資金繰り(会社運営に関わるお金の出し入れ)に関する相談

・納税額シミュレーション(納税期限よりも前に、事前に納税額を予測してお客様にお知らせすること)

これもいろいろありすぎてまとめきれません!

〇 他によく聞かれることは

税理士は会社にとって良きアドバイザー的存在なので、税理士の分野でないことも聞かれます。例えば、

・会社を作ること(行政書士や司法書士の分野)

・社会保険(健康保険や厚生年金)や労働保険(労災や雇用保険)に関すること(社会保険労務士の分野)

・民法(法律)などの分野(弁護士の分野)

会社経営に関わるたくさんの問題は、まず社長の身近な存在である税理士に相談することが多いです。

税の分野だけではなく他の分野にもある程度知識がないと、お客さんとお話ができません。

もちろん各種手続きに関しては他の士業(弁護士や司法書士など「士」がつく職業の人を総称して士業と言います。)にお願いすることになるので、信頼できる税理士以外の他士業パートナー探しも必要になってきます。

税理士の収入は?

税理士の収入はピンキリです。

一人でやっている税理士、私のように数人のスタッフのいる税理士、何十人何百人とスタッフのいる税理士、それによっても変わると思います。

お客様から頂く顧問料はまちまちです。顧問料は各税理士によって自由に決めることができるので、多くもらうこともできるし少なくもらうこともできます。

なので、まちまちですというしか言いようがないですね。年収がサラリーマン以下の人もいますし、何千万ももらっている税理士もいると思います。(私の年収はショナイでお願いします!)

ただ一つ言えるのは、お客さま(依頼者)を見つけないと売り上げが上がらないのはどの商売も同じです。

私も独立開業したてのころはエライ苦労しました。サラリーマン以下というか、マイナスでしたからね。

だからもし独立開業を目指すのであれば、それ相応のリスクがあるということです。税理士っていうだけでお客さんがわんさか来るというのは幻想です。

もちろん勤務税理士という道もあるので、どの道を進むのかは自分で決めれます。

ただ結局は人対人の商売なので、自分がされて嬉しいことをお客さんにしてあげるのが一番だと思います。

やっぱり好きな人に仕事頼みたいですからね。人間力を磨くのも一つ大事な税理士の仕事だと思います。

税理士になって良かったこと、嬉しかったこと

この質問をされたとき、すぐには思いつかなかったのです(笑)

基本的には税理士の仕事は地味な仕事です。テレビドラマになるのは弁護士とかお医者さんとかですからね。

帳簿書類をチェックしたり税金を計算するのが仕事ですから地味です(笑)

でも、お客様は帳簿の付け方や税金の申告書の書き方がわからないので依頼するのですから、そういった意味ではお困りごとを解決している仕事です。

なので、税理士に頼んでも売り上げが上がるわけではないのです。

でも、会社の現状を社長に正確に説明することで、社長自身が何かに気づいて、売り上げが上がったり、無駄な経費がなくなったりすることもあります。そういう時は嬉しいですね。

きちんとわかりやすく説明するというのが、税理士には必要ではないかと思います。

なので、お客さんの悩みが解決されたとき喜びややりがいを感じます。たまに、オレかっこいいなーって思うこともあります!(笑)

偉そうなことを色々と書きましたが、私もまだまだですけどね。

もし今中学生、高校生くらいであれば、今は学校の勉強をきちんとやることが大切じゃないかと思います。学校の勉強をきちんとできないようでは、税理士試験は難しいと思います。

私が高校の時、確か中間テストで赤点取った教科で、さすがにこれはまずいと思って必死で勉強して、次の期末テストでクラス1番になった記憶があります。唯一の自慢ですが(笑)

ただ勉強するだけではつまらないので、やり方を工夫してみたり、自分なりの勉強スタイルを見つけるのも面白いと思います。

でも、人生勉強だけじゃないので、たくさん遊びましょう。税理士だってカラオケしたりボーリングしたりしてますから。

たくさんの若い人が税理士に興味をもってくれることを願っています。

私は税理士を目指して、税理士になれて本当に良かったと断言できます!

地味な仕事ですが、大切な仕事だと思っています。なので、今はとても幸せです。

以上です!

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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