労働分配率を低くする最良の方法とは?

 

 経営相談・税理士業務

こんばんは。税理士の吉田です。

今日お客様の会議に出席させていただき、幹部社員さん向けに数字の共有をしました。

その中で労働分配率についてお話させていただいたので、共有したいと思います。

労働分配率は高い方がいいのか?低い方がいいのか?

労働分配率と言うのは、「人件費÷付加価値額」です。

簡単に言うと「人件費÷売上(又は粗利)」です。(このブログでは分母を売上に統一しますね)

つまり、

売上の内、どれくらい人件費が占めているか?

ということを表す指標です。

なので、売り上げが100万円で人件費が40万円の場合は、労働分配率は40%となります。

当たり前の話ですが、この労働分配率が高ければ利益が減り、低ければ利益が増えます。

じゃあ、労働分配率は高ければ社員さんの給料が高くなるのか?

低ければ社員さんの給料が低くなるのか?

これには数字のマジックがあります。

黒字企業は労働分配率が低い

今日はTKCから出ている同業種の労働分配率を参考に出してみました。

色々とデータを抽出した結果、黒字企業は労働分配率が低かったのです。

かといって、社員さんの給料が低いとは限りませんね。(だって黒字会社だから個々の給料も高いはずです)

理由は簡単。黒字企業は同じ人件費でも売上高が赤字企業より高いんです。

先ほどの例で考えると、人件費40で100の売上を上げるのが赤字の企業だとしたら、

同じ人件費40で110の売上を上げれるのが黒字企業です。

売上を100から110にするだけで、労働分配率が40%から36%に下がるのです。

ね。数字のマジックでしょ。

しかも売り上げが100から110に上がるので、利益も10増えます。

ちなみに、この10の利益の内「4」給料を上げたとしても労働分配率は40%のままです。

しかもまだ会社に利益が「6」残ります。

ムダ人件費が会社の利益を食っている

労働分配率は何のためにあるかって考えると、利益を残すためにあるんです。

仮に給料を減らすという側面があるとするとそれは、無駄な人件費を削ることです。

一番ムダな人件費とはなんでしょうか?

それは人の入れ替わりに伴うコストです。

人が辞めて次の人を採用するときってどれくらいコストがかかるでしょうか?

月20万円の給料の人でも3か月引継ぎすると、60万円もかかります。

社会保険や福利厚生などもかかるので80万円くらいはかかるでしょう。

80万円ですよ。80万円。

今日訪問した社長さんも言ってましたが、経費削減といってボールペン1本削減したところで80万円には到底かないません。

だから人が定着することが労働分配率を低くする最良の方法なんです。

人が定着すると、結果的に利益が残ります。

無駄な経費を削減するより、一番効果的でしょ?

それに優秀な人が定着すると、売上も安定したり増えたりするでしょ?

優秀な先輩社員を見て育った後輩は、きっとかなりの戦力になるでしょ?

これが黒字企業なんですよね。素晴らしいスパイラルです。

会社の利益も上がり、みんなの給料も増えます。

だから、何の考えも無く

「御社の人件費率は高いので給料下げて利益を出しましょう!」

っていう税理士やコンサルタントがいたら、ヤバいですよね。。。

社員さんから暴動おきますって。。。

確かに一時的には利益は上がりますけどね。

どうせやるんだったら、みんなの給料も上げて会社にたくさん利益を残した方がいいなと思っています!

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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