決算書は経営者の通知表、でも学校とは違いもらっただけでは意味がない。
こんにちは。税理士のヨッシーです。
最近、かなり落ち着いてきました。確定申告時期とは違い、静かです。
採用募集も再開してますので、是非たくさんのご応募お待ちしております。
もう、通知表をもらわなくなって四半世紀近く経ちますが、あれって実はすごいんです。
だって、本人の学業の出来具合を「1・2・3」とか「A・B・C」とかで見える化しているんです。
偏差値もそうですよね。
通知表はテストの「点数」で決まる比重が大きいので、どのような勉強方法か、どれくらい勉強したかたなんかは加味されにくいです。
いわゆる融資審査の時の、定性評価より定量評価が重視されたのが通知表ですね。
そして、会社のおける通知表は何なのかというと、「決算書」しかありえません。
良い決算書なのか悪い決算書なのか、どっち?
決算書に書かれていることは、基本的には数字のみです。(注記表もありますが、中小企業にとってそれほど大きな意味はない場合があります。)
数字のみでドライに判断されるものが決算書なんです。
これはほぼテストの点のみで評価される通知表と似ていますね。
通知表と違う点は、1つだけです。
5段階で1ですねとか、偏差値60になりましたとか、そういうものは書かれていません。
なので、良い決算書か悪い決算書かなんて、超絶わかりずらいのです。
例えば、
利益がたくさん出ていれば良い決算書
預金残高がたくさんあれば良い決算書
と判断しては、危険だったりするんですよねぇ。
貸借対照表はバランスシートといいます。
なので、利益がたくさん出てても、預金残高がたくさんあっても、その他の「バランス」が悪ければ、ダメダメな決算書になるかも知れません。
ちなみに、私はなんとなく感覚ですが、良い決算書なのか悪い決算書かがわかります。
○○比率はわからなくても良い?
少し数字をかじると、「比率」というものを気にするようになったりします。
流動比率は200%以上がいいとか、自己資本比率は30%以上なくてはいけない、という形でね。
しかし、比率がわかる中小零細経営者は少ないです。
もちろん勉強するに越したことはないのですが、中小零細企業だと勉強する必要もないかも知れません。
別に馬鹿にしているわけではなく、ある程度の事業規模が無ければ、比率なんて簡単に変動するからです。
例えば、年度末に運転資金の借入をしただけで、自己資本比率なんて簡単に下がるんですから。
それをわかった上で気にするなら良いと思いますが、そこまで縛られる必要もないと思います。
良い決算書とされる要素
これは自己流ですが、以下の条件の全てに当てはまったときに、まずまず良い決算書といえると思っています。
・預貯金が常に最低でも月商の1.5か月以上ある。
・売上の入金サイトが1か月程度(業種による)
・不良債権がない、あっても少額
・売上が1社に偏りすぎない
・固定資産(建物や車)を購入するときは、長期(返済期間の長い)借入金で賄う(お金が余るほどあれば別)
・(役員借入金+資本の部)/総資産が30%以上ある(いわゆる自己資本比率)
・営業利益、経常利益共に黒字
・役員報酬もきちんととれている
・従業員給与も最低でも同業平均程度は支給している
・中退共などで、必要な退職金積み立てを行っている
もちろんこれがすべてではなく、他にも要素があるのですが・・・。
収益力・貸借対照表のバランス・リスクヘッジ、この3点が満たされていればまずます良いといえるのではと。
確かに評価は難しいので、数字のプロである税理士に聞いた方が良いと思います。
私は「あなたの決算書は○○点です」とは言いませんが、「ここを改善するともっとよくなります」とお伝えはできます。
まとめ
私も新卒で会計事務所に働き始めた時は、何が良い決算書なのかわかりませんでした。
それから20年近く星の数ほど(大げさ?笑)の決算書を見ることで、何が良くて何が悪いのか体で覚えていきました。
そして、もう一つ忘れていけないことは、数字で表れないことも大切にすることです。
取引先を大事にすること(言いなりになることではなく)、
仕入先や下請け先・スタッフさんに対して取引先以上に気を遣えること、
教育に時間とお金を使うこと、
お金の使い道の透明性(後ろめたい支出はしない)などなど、
そういった数字で表せられないことを大事にする社長が、伸びていく一番の要素だと思います。
定量(数字のみ)評価、と定性(数字以外)評価、どちらも同じくらい大切だと感じています。
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この記事の投稿者
吉田匡
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。