お客様と税理士の関係で私が大切にしていきたいたった一つのコト

 

 経営相談・税理士業務

こんにちは。札幌の新陽税理士事務所、税理士のよっしーこと吉田です。

ちょっと最近考えさせられることがありまして。

お客様と税理士の関係についてです。

例えばここに一枚の領収書があります。

・社長が経費として認めたら経費にしていいのか?

・税理士が経費として認めたら経費にしていいのか?

うーん。どう思いますか?

双方意見が同じだったらいいのですが、意見が分かれたときにはどうするか?

「社長→経費じゃない」「税理士→経費と考えている」の場合は、それなら経費に落としてもらおうって言う社長がほとんどだと思います。

問題なのは、逆パターンで、

社長→経費と考えている

税理士→経費じゃないと考えている

という場合です。

たぶん同業者なら、こういうケース一度や二度は経験があるんじゃないかなと思います。

社長と税理士の意見が分かれたらどうするか?

これはあくまでも私なりの考え方なので、人によって違うと思います。法律に書いてないことですしね。

まず私なら社長の話をしっかりと聞きます。なぜ社長はコレを経費として計上できると考えているのか。

税法はかなり一般常識(まぁ、常識ってなんだ?って思うこともありますが)に基づくものが多いので、社長は税法の隅々まで知らなかったとしても、何かしらの意図があって経費計上できるとおっしゃっているケースが多いと思います。

たとえば、

「専務である社長の息子が結婚したからお祝い金を100万円会社から福利厚生費で出す」

というのは一般的ではないと思いますので、100万円を経費にしてくれという社長はそれほどいないのではないかと思います。(100万円が経費になるケースがあったらすみません・・)

で、問題なのが

「コレが〇〇万円だったらどうなの・・・?慶弔規定に専務は○○万円って決めたら出していいの?」

という場合。

○○万円って高いと言えば高いかも・・・?でもめちゃくちゃ高いかと言えばそうではないのかも・・・?

コレが1万円とかだったら、

「全然税務署から否認されませんよ。あ、慶弔規定だけは作っておきましょうね。」

ってなるんですが、まぁ、こういうのって正解は無いので、税理士も悩むわけですよね。

税理士の立場とはなんだろう?

これもあくまで私の考えです。全員の税理士がそうではないと思っています。

先ほどの話で、社長が税理士にこう言ったとします。

「じゃあ○○万円(一般的にはけっこう高い金額)を経費にしてくれ。何かあれば私(社長)が責任を取るから」

私のスタンスとしては、基本的に社長の仰ることは最大限尊重します。それはお金を頂いている以上、お客様の意向に沿うように努力する義務があると考えているからです。

しかし、もし社長の仰る「○○万円」が私の考えとしては高すぎるとしたら、こんな風にお話しするかも知れません。

「社長、それは否認のリスクが高いと思いますので、再度検討いただけないでしょうか?ちなみに他社の支給相場はこんな感じになっていて・・・」

その後社長が、

「いや、税務署に何か言われたらその時払うから大丈夫!これで申告しといてね。」

って言われたら・・・。うーん。うーーーん・・・。

私としては「お客様の意向に100%沿う税理士=いい税理士」とはちょっと思えなかった。

だって、私が思う税理士像は「お客様の知らないことを的確にアドバイスできるスーパーな存在」だと思うからです。

お客様としてもそこに「価値」を見出してくれる方と今お付き合いさせていただいていると思いますし、今後もそういうお客様とお付き合いがしたい。

「吉田さん、息子結婚したんだけどお祝い金○○万円でいいかな?」

「社長、それはちょっとリスクありますね。他の支給相場ではこうなってますが・・・」

「わかりました。じゃあ吉田さんが言うんだったら〇〇万円にしようかな」

「社長、それだったらリスクはさほど感じません。もし税務署に指摘されたら根拠を提示して全力で戦いますから」

って感じなら自分的にも納得できます。それはリスクを取らないという訳ではなく、私の考えでは税務署に否認される(黒又は黒に相当近いグレー)という結論に達したからです。自分自身が黒と感じる申告書にサインはやっぱりできないなって思っています。

一番はやはり税理士との相性と信頼関係だと思う

一応税理士法にも「中立な立場で」って書いてあるし、税法自体が中立なスタンスで判断しなくてはいけないことなので、そういうスタンスを取っています。

もちろんそれは税法を扱うスタンスなだけであって、私はいつでもお客様の味方です。

だってお客様が信頼してくれてウチの事務所を選んでくれて、一生懸命本業に取り組まれていて、きちんと納税もして頂いている。だから、私は・・・

お客様の味方に決まってんじゃん!!!

私も過去に合わなくて顧問契約をお辞めになった方もいらっしゃいます。もちろん、社長が言うなら経費にしてくれって言って税理士がそれに従うというのも一つの考え方だと思います。

でも、私はどんな方ともお付き合いできる器の大きい人間じゃありません。

私があのお客様のことを応援したいと心から思っていて、お客様も私を信頼できると思ってもらえる。

だからもし税金のせいで経営が圧迫されるようだったら、資金調達の相談に乗りますし、もし万が一リスケジュールが必要であれば一緒に銀行に行って頭を下げます。

それが相思相愛の関係なら、社長が本当に追い詰められて困っているとき、何とか助けになってあげたいと思っています。私が頭を下げて一生懸命やっている社長が助かるのなら、頭を下げることくらい安いもんでしょ。

だから私はお客様と相思相愛な関係がいいなと思います。きれいごとかも知れませんが、それが私がお客様と大切にしていきたいことです。

ま、恋愛ではなかなか相思相愛になったことないですけどね(笑)

以上でございます!!

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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