ECショップのポイント付与リスクでしかない

 

 経営相談・税理士業務

こんにちは、新陽税理士事務所の税理士よっしーです。

ECショップなどに限らずですが、ポイント付与する店舗がかなり増えてきました。

このポイント付与は大きく経営に影響するかも知れないのです。

ポイント付与の年間金額で考えると経営への影響がわかりやすい

ショップ側としては、「ポイント付与=将来の値引き額」になり、会計上はいわゆる「負債」になります。

将来値引きして販売しなくてはいけない義務がポイント付与時に出てくるからです。

これをきちんと把握して、何かしらリスク対策をしておかないと経営に大きく影響してしまします。

仮にポイントを販売代金の10%を付与する場合だと、単純計算11,000円の商品販売で10,000円しかもらえないので、11,000円の売り上げに対して1,000円の粗利が減ります。

粗利益率にすると、約9%減少してしまいます。

パーセンテージもわかりにくいので、例えば年間売上1億円のECショップとすると、減少する粗利で1億円×9%で、

900万円!!

ものすごい金額です。パートさんなら9名くらい雇えそうです。

ポイントを付与したときはお金が動かないので、いまいち経営への影響がわかりにくいです。

粗利が減るということはダイレクトに当期利益の減少に繋がります。

きちんと金額で出してみて、年間でどれだけ粗利が減少するのか計算してポイント付与率を考えていきましょう。

ポイント付与は帳簿に出てこない?

ポイントを付与した段階では、一定の条件のもとに売上を減らして負債に計上するやり方が認められています。

※税務会計処理は詳しく記載しません。顧問税理士、法人税基本通達2-1-1の7にてご確認ください。(ブログ投稿日現在施行の法律によります)

わかりやすくいうと、以下のようにポイント付与時に収益減少、負債計上の処理を行うことができる訳です。

ポイント付与を売上減少で認識させる(収益減少処理)

負債に認識させる(将来のリスクを負債として金額表示させる処理)

この処理ができると財務諸表を見たときに、一目でわかりやすくなります。

収益をポイント付与時に減少させることができるので、税金も前倒しで安くすることができます。

反対に、このような処理をしないときは、当然ながら帳簿に表れてきません。

いったい今どれだけポイント負債を抱えているのか・・・。別にデータ管理していると思うので未使用のポイント残高は把握できると思いますが、会計に現れてはきません。

いわゆる「簿外負債」の状態になるのです。

ポイント付与の未使用残高はお金を預かっているのと同じこと

ポイントは、本来お金を支払わなければ商品を購入できないところ、ポイントを使用して購入できる権利なので、お金と同じと考えた方が良いでしょう。

ポイント利用で商品購入を行った場合、当然ですがそれに見合うお金は入ってきません。

しかし、その商品を売るための商品仕入れなどの売上原価は発生するわけです。

あり得ないことですが、毎月の仕入れが500万円あるとして、1か月間100%ポイント利用だけで販売すると、仕入れ代金の500万円は売り上げがあっても入金が0円の訳ですから、前月までの貯蓄で支払わなければいけません。

帳簿で負債に計上してようがしてまいが、ポイント未使用残高分のお金は内部留保するべきです。

会社上の内部留保とは、いわゆる「繰越利益剰余金」ですが、すぐに使えるお金(預貯金)で残すのがベストです。

もちろん、1か月間ポイントによる売上だけになることはあり得ませんので、最低でも流動性の高いもので残すのがベターですね。

※流動性が高いものとは、貸借対照表の流動資産にあるものです。(例えば売掛金、商品在庫などです。)

まとめ

ECサイトのポイント付与は、会計処理、お金を貯めておくこと、損益に与える影響、この3点が重要です。

大手通販サイトと違って中小企業の場合は、ポイント付与率を高くするのは得策ではありません。

ポイント付与に頼らず、別な販売促進を研究して利益確保していきましょう。

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 この記事の投稿者

吉田匡

札幌発。日本酒好きの税理士が経営支援とマーケティングで経営者のお悩みを解決しています。経営者の方には本業に集中できるように、何でも相談できる税理士をモットーに日々奮闘中です!エクスマ塾72期。
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