無申告解消(期限後申告)のサポートを始めた経緯
こんにちは、税理士の吉田です。
弊所では無申告・期限後申告・修正申告のサポートを行っています。
最初にこのような依頼があったのは開業2年目(10年前)くらいでしょうか。
それから1年後くらいに本格的にHPを作成し、今まで数十人の無申告の解消に携わってきました。
無申告者は悪い人だという思い込み
私は2012年に独立開業しましたが、勤務時代は無申告のお手伝いをしたことはありませんでした。
関与先の皆さんは真面目に月次顧問契約をしてくださっており、新規で入る方も開業前とか、遅くても初年度決算前にご依頼頂いている状況でした。
ですので、「無申告=だらしない・脱税している悪い人」というイメージが刷り込まれていましたし、実際そのような納税者の依頼は受けないという税理士も多いと思います。
そんな無申告の方との免疫がない中の独立2年目のある日、無申告で悩んでいるという相談がありました。
独立して間もない頃は売上も全然なく、どんな案件でも貪欲にこなしてきましたので、とりあえず相談を受ける(というか、引き受ける前提ですが)ことにしました。
しかし、話を聞いて私の中のイメージが崩れていきました。
納税者の方とお話した内容としては、
個人で開業して最初は売上が少なく赤字だったが、徐々に売上も上がっていき、所得が出始めた頃にはいつから申告したらいいかわからず数年経過してしまった・・・。
真面目に申告したい気持ちでいたが、恥ずかしくどこにも相談できずどうしたら解決できるかわからなかった。
HPを見て相談しやすそうな方だったので意を決してお電話しました。
確かに、だらしないということはあったのかも知れませんが、真剣に悩んでいる様子で、別に脱税の意図を持っている訳ではないようでした。
私の中で無申告のイメージが変わった瞬間でした。
過去の過ちをリカバリーする場所があっても良いのでは
世間的に悪いイメージのある無申告案件は、税理士業界では敬遠されがちです。
結構断られて弊所に行きついたという方も実際少なくありません。
また、地元(特に地方)の税理士は、地域が狭く相談しずらいといったお声もありまして、遠方から依頼を受けることもあります。
やはり無申告の方も、こんな案件引き受けてくれるのだろうか・・・?、と考えている方が多いということもわかりました。
しかし、無申告であることは、間違いなく悪いことであることには変わりありません。
無申告に限らず大なり小なり誰しも過ちはあると思います。
過去の過ちを認めて、これから清算して真面目にやっていきたい、と思っている方が多いのも事実です。
私も逆の立場なら、お金はいくらでも払ってもいいからなんとかリカバリーしたい、と考えるのではないかと。
過去の過ちを清算しリカバリーできる場所があっても良いのでは?と思うようになりました。
弊所で対応させていただくときの条件
無申告のHPを立ち上げて問い合わせも増えていく中で、残念なことに途中で契約解除したこともあります。
やり取りがうまくいかず、資料の用意ができない、連絡が途絶えるなど、業務に支障が出てきてやむなく契約解除となった案件がいくつかあります。
本当に残念なことですが、「無申告=だらしない」というイメージそのままで、弊所に依頼されても全く改善されなかった方がいました。
せっかく意を決してお問い合わせ頂いて契約したのに、本当にもったいないことです。
無申告を解消するということは過去の自分を変えていくことだと思います。
本業が忙しいということはあると思いますが、税務会計も本業と同列に考えていくことが必要です。
弊所と契約書を交わすときには、以下の約束事をしています。
・きちんと納税していくこと。
→言い換えれば脱税しての申告や脱税がらみの相談はしないこと。
・きちんと連絡を取り合うこと。
→着信・既読スルーはしないこと。取引先と同列に考えて頂くこと。
・資料を期日までに用意すること
→できることはすぐ行動すること
他にもありますがこの3点です。
できる方にとっては、「そんな当たり前のことなぜできないのか?」と思われる方も多いと思いますが、できない方がいるのも事実なんです。
無申告を解消するにはお客様の協力が絶対的に不可欠です。
過去の過ちを直すには、仕事に対する姿勢や取り組み方を変えていく必要があると思っています。
弊所のお客様には過去の過ちを解消して、きちんと税務会計や自社の経営に向き合っている方が殆どです。
ご自身の意識を変えれば本当の意味でのリカバリーができると思っています。
コメント
この記事の投稿者
吉田匡
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。