定款に記載すべき事項の決め方【会社設立】

 

 会社設立・創業融資

こんにちは、税理士の吉田です。

会社を設立するにあたって、資本金、決算月、役員構成をどのように決めるかは最も重要な事項ですが、その他にも重要なことがあるので、まとめたいと思います。

事業目的

将来的に行うことも記載しておく

会社の主幹業務を事業目的として明確にします。

今考えている業務の他に、将来的に行う可能性が高いものも記載しておくと良いと思います。

事業目的の変更は登記事項の変更に当たり、登記変更のお金がかかります。

自分で登記変更しても「印紙3万円+実費」がかかり、司法書士に依頼すると手数料もかかりますので、なるべく今後変更の無いようにしておくとベターです。

不動産賃貸業は入れておく

私の持論ですが、会社所有の不動産を貸すことがままあります。

事業目的に不動産賃貸業を入れておくと、「雑収入」ではなく「売上項目」になるため、営業利益や経常利益に影響していきます。

小手先のテクニックかも知れませんが、金融機関などに経営成績を良く見せるためには「売上項目」の方が望ましいです。

たくさん書きすぎない

将来的に行いたい目的がたくさんある場合、それを全て書ききると会社のイメージがぼやけてしまうというデメリットがあります。

事業目的が記載されている登記簿謄本は誰でも入手可能であり、新たに取引を結ぶときなどは登記簿謄本を見られている可能性も考えなくてはいけません。

取締役の任期

とりあえず10年にしておく

株式会社の場合の取締役の任期は最長10年です。

任期満了になると役員重任登記が必要になりお金もかかるので、最近は10年にされている中小企業は多いです。

ただし、10年後に登記しなければ罰金(過料)が発生したり強制解散になることも考えられます。

10年は長いのですし、当時設立代行してもらった司法書士も引退していることもあるでしょう。

弊所は任期の確認も毎年行っているので都度お伝えしていますが、登記漏れが起こりやすいことに留意が必要ですね。

外部の取締役がいる場合は任期を短くした方が良い場合もある

外部の取締役がいる場合、方向性の違いで揉めるケースもあるかもしれません。

そのような時に退任を迫るのは難しい問題になってきます。

あえて任期満了期間を短くすると、満了日がくれば退任させることができるので、リスクヘッジのためにも短めに設定すると良いでしょう。

その他の事項

本店所在地

本店所在地は例えば、「本店を札幌市に置く」などと記載した方が良いでしょう。

「札幌市中央区」に置くなどとした場合に、他の区に引っ越しすると定款変更が必要なので、ある程度柔軟性を持って決めるべきと思います。

発行可能株式総数

これも将来を見越していくらまで増資する可能性があるのかによって決めます。

中小企業の場合は資本金1,000万円を超えると税金が高くなる基準があります。

もちろん今後他人資本が入って数千万単位の資本金になってしまうこともあるので、余裕を持って決めた方が良いと思います。

取締役の員数

役員が複数いたとしても、中小企業の場合は「1名以上」とした方が無難です。

今後事情が変わって取締役を減らすことも考えられます。社長1人でも存続できるようにした方が無難ですね。

まとめ

会社設立の際には、今後の経営を見据えて決めておく必要があります。

今はフォーマットが充実しているのでフォーマット通りでも精度の高いものができますが、それが本当に合っているのかどうか確認した方が良いでしょう。

弊所は設立後の顧問契約が前提となりますが、会社設立全般の確認やサポートも行っています。

弊所で無くても今後税理士に顧問を依頼する予定であれば、設立前から接点を持った方が良いと言えます。

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 この記事の投稿者

吉田匡

1980年(昭和55年)生まれ、新陽税理士事務所、代表税理士。
2012年(平成24年)に開業、ホームページ・ブログを見てご依頼頂くことがほとんどです。
経営者・個人事業主・創業準備中の方向けに、税金や経営に関すること(たまにプライベートも)を発信しています。
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